遅延、ジッタ、およびパケット損失とは
Voice over IP(VoIP)は、遅延やジッタと呼ばれるネットワーク動作の影響を受けやすく、平均的なユーザが許容できないレベルまで音声アプリケーションの品質が低下する可能性があります。
遅延は、ネットワーク内においてポイントツーポイント(Point to Point)で計測される時間です。遅延は、一方向の遅延または往復での遅延のどちらにおいても測定可能です。一方向の遅延を計算するには高価で高度なテスト機器が必要であり、これらは大部分の企業のお客様の予算範囲と専門知識を超えるものです。ただし、往復の遅延の測定はもっと簡単で、それほど高価ではない機器を使用するだけで済みます。一方向の遅延の概略的な測定を行うには、往復の遅延を測定し、その結果を 2 で除算します。
一般的に、VoIP ではコールの品質が許容できなくなるまでに、最大 150 ミリ秒の遅延が許容されます。
ジッタは、ポイントツーポイントでの一定時間内の遅延における変動です。VoIP コールにおいて送信の遅延があまりにも大きく変動する場合、コール品質が著しく低下します。ネットワーク上で許容されるジッタの規模は、音声パスでのネットワーク機器上のジッタ バッファの深さに影響されます。利用できるジッタ バッファが増加すればするほど、ネットワークではジッタの影響を減らすことができます。
パケット損失とは、データ パスでパケットを失うことであり、音声アプリケーションの品質が著しく低下します。
VoIP アプリケーションの導入に先立ち、音声アプリケーションが動作するかどうかを判断するには、データ ネットワーク上で遅延、ジッタ、およびパケット損失を評価することが重要です。遅延、ジッタ、およびパケット損失の測定は、トラフィックの優先順位付けさらにはデータ ネットワーク機器におけるバッファリング パラメータの正確な設計と設定に重要です。